初番は新作「桐葵」。
井沢元彦氏による 秀吉と家康のお話。
秀吉が、臨終の床で家康にくれぐれも秀頼の行く末を頼んだにも拘らず、
約束を反古にして、大阪城を攻め豊臣家を滅ぼしたことを非難し、
家康は天下泰平の為には仕方のないことだと大義を唱える。
いつまでも平行線の二人の霊に
四天王寺の聖徳太子の霊が現れ、諭し、修羅道から浄土へと導く。
(本当は秀吉の孫の天秀尼が前場に出てきて話が展開するのですがだいぶはしょってます)
大阪城薪能というシチュエーション的にもはまり、
ちょっと理屈っぽすぎるのも、却って井沢氏の「らしさ」が出てるような気もするし
新作だけに 観る方も構えて観るので(あんまり素直には観ないし)
なるほどこんなもんでしょう。という感じ。
(こんなもんか、といった否定的な意味ではないです)
秀吉の装束には ちょっと感動しました。
狂言を挟んで「石橋」。
半能で上演されることの多い曲ですが今回は前・後で。
でもねーでもねー
前を演る必要性があったのか?
(あ〜いきなり言うてもた)
せっかくの強グセやのに、なんか結構飛ばしてた印象を受けました。
能楽堂で聴くのと野外で聴くのとでは声の反響が全然違うし
迫ってくるものも違うのでその分は差し引かないといけないとは思うのですが。
個人的に、「石橋」は
重い親獅子、元気な子獅子、のその対比が好き。
なのに、今日は白獅子1匹、赤獅子3匹の豪華っぷりやのに
赤獅子さん、あんまりはじけてくれなかった・・・。
はじけるからいい舞台とかいう訳ではないので
あくまで個人的な嗜好ですが
前場はいらんから その分後場をもっと勇壮にやって欲しかったかな〜と。
飛びかえろうよ!!
(結局、そこかいっっ!?)
せっかく頭数いるんだし〜 飛びかえって バシっときめてくれたら
ものすごいカッコいいのに、飛び回り下居じゃなんだかな〜。
白と赤の差があまりなくて ちょっと物足りなかったかも。
いや、でも ものすご〜く期待していた故ではあるのですよ。
あと、特筆すべきは狂言方でしょう。
間狂言、狂言と茂山千作さんはじめ重鎮揃いぶみ、で
ちょっと得した気分でした。
あとね、もひとつだけ。
「番組」なかったんですよね。
もしかしたら もっと早くにしかるべき筋から買えばついてたのかもしれないけど、
それにしては、持ってる人見なかったし。
パンフレット(1000円もする)買わなきゃ番組付いてないのはどうかと思うぞ。
で、楽しくなかったんかい、と言われれば、結構楽しんで帰ってきてはいるのです。